2023年12月11日、大阪大学総合学術博物館の企画展「ちんどん屋」を見に行ってきた。
この日は、ちんどん通信社の林幸治郎氏によるギャラリートークがあった。林氏は大阪を拠点に40年以上にわたって活動を続けているちんどん屋業界の第一人者で、展示品の解説は非常に内容もあり、また面白いトークだった。
明治、大正期の花王や福助、アサヒビールなどの大企業が大編成のちんどん屋で宣伝活動をしている写真やちんどん屋の衣装・道具などの展示品も面白かったが、ちんどん屋の系譜の中には西条凡児の名前も見られた。
林氏の話によると、明治時代は一般家庭ではまだ新聞を購読している家も珍しく、宣伝活動といえばちんどん屋を使うことぐらいしかなかったらしい。
活動写真が出始めた頃は、一般大衆は映画館なども知らないため、ちんどん屋を使ってPRしたらしいが、初期の映画は外国製の無声映画のため、見ても何のことか分からなかった。
このため、ちんどん屋で口上を述べる者に画面の解説をさせたのが、活動弁士の始まりということだった。
この展覧会は、2024年2月17日まで開催している。
大阪大学総合学術博物館 第25回企画展 ちんどん屋
https://www.museum.osaka-u.ac.jp/2023-10-03-18020/
Comments