現在、ほとんどの映画館は入れ替え制を採用している。
すなわち、観客はある映画の最初から見て、上映が終わったら館から出ていく。
原則として、上映中に途中入場して見ることはない。
次の上映には新たな観客が入場して、同じことを繰り返す。
しかし、昔はそうではなかった。
たとえ封切館であっても、観客は映画館に着いた時に上映中にもかかわらず途中から入場して見始める。
そして、次の上映で自分が見始めたところまで来たら、館から出て行くと言うのが普通だったように思う。
これについては、恥ずかしい思い出がある。
学生時代の1968年(昭和43年)、男の友達が映画を見に行こうと言うので、一緒に繁華街の映画館へ行った。
彼がこの映画を見ようと言ったのが「卒業」だった。
この映画については、全く何も知らなかったが、特に反対することもないので上映中に入場して見始めたが、やがて上映が終わって館内が明るくなった。
すると、周囲は若い女性がいっぱいで、たまに男がいてもそれはカップルで来ているケースだった。
こちらは、ニキビいっぱいで芋の様な顔をした男と一緒で、ホントに恥ずかしかったのを覚えている。
まあ、それでもアメリカンニューシネマの歴史的傑作を見られたのだから、よかったということだろうか(笑)
それにしても、今から考えると、結末を先に見てしまってから冒頭のシーンを見始めて、頭の中でストーリーをつなぎ合わせると言うことを普通にやっていたのだと、改めて感心してしまう。
特にこの「卒業」のラストシーンは、映画史に残る有名なシーンだったが、途中から見たために違和感が残ったという記憶もないので、人間の慣れというものは恐ろしいものだと言う気もする。
昭和30年代の映画界の黄金時代は、映画館も満員で通路にまで人があふれていたので、このような慣習になっていたのか?とも思いながら頭をひねっている、、、
ymdjdpa
Comentarios